花物語 西尾維新 講談社BOX

第変話 するがデビル 真宵メイン回と思いきやタイムトリップパラレルホラーストーリーだった『傾物語』から約3ヶ月、バサ姉が語り部だった猫物語(白)以来となる暦が語り部でないシリーズ第二弾が神原駿河語り部で登場。 ただそれほど違和感がなかったバサ姉の時と違い、明朗快活いつも元気でBダッシュな神原のイメージとは180度真逆といっていい内省的で自虐的な姿が描かれたのは素直に驚きだったし違和感…

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ゼロの使い魔 18 〈滅亡の精霊石〉 ヤマグチノボル MF文庫J

今回はここ最近のストーリーの停滞が嘘のように一気に話が進行、そういう意味で読ませはしたんだけど、たださすがにこれはちょっと急展開すぎないかと。 あんだけ引っ張った鉄仮面ネタをあっさり解決、実は教皇もジュリオもハルキゲニアの人々を救うためにやっていたんだよとか言われてもなあ。 もちろんヴィットーリオに関してはまだ裏がある可能性はあるんだけど、ジュリオのキャラの変わりっぷりは正直ついていけな…

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栗本薫死去につき、本日は更新休止させていただきます

僕がかって最も愛していた作家・栗本薫が本日26日夜亡くなりました、亡くなってしまいました。 かってと書いたとおり今はもう、というかかなり前からフェイヴァリットな作家ではなくなっていました。 昔は出る本すべてを買っていたそんな時もあったのですが、今はグインをそれも感想に書いてるように毎回その劣化を愚痴りながら半分惰性で買って読んでいたようなものでした。 でもしかしそれでもなお、僕…

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ヤーンの選択 グイン・サーガ125 栗本薫 早川文庫JA

巡礼団と共にヤガを目指す途中で騎馬の民に襲われたヨナはスカールに助けられ九死を得るのだが……。 今回もまたたいして話が進んだというわけではないんだけど、グイン、ナリス、ヴァレリウス、リギア、グラチウス、そしてイシュトヴァーン、因縁も含めて思いの外共通の知り合いが多いスカールとヨナのやりとり自体はなかなかに興味深いものが。 なかでも実はいまだ本当の意味では北の豹と南の鷹は逢って…

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風雲への序章 グイン・サーガ123 栗本薫  ハヤカワ文庫JA

シルヴィアの問題を契機に皇帝アキレウスはついに我が息子たるグインに全権を委譲することを決断、名実共にケイロニアの豹頭王として君臨することになったグインの治世が今ここに始まる。 一方、ゴーラでは自ら建設したイシュタールでグインに負わされた怪我を癒しながらもイシュトヴァーンが新たな野望を燃やしていた―― 著者曰く 「本当の本編」というのは、グイン王率いるケイロニアVS.イシュトヴァ…

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豹頭王の苦悩 グイン・サーガ122 栗本薫 ハヤカワ文庫JA

かくしてシルヴィアは売国妃となったのであった――――。 とまあ今回はそういうお話。 前巻に引き続き読んでいてひたすら暗澹とした気分になったわけだけど、前巻と違うのはけしてつまらなくはなかったこと。 たしかにまったくといっていいほど救われない話ではあったのだけれど、ケイロニアの良心というべきロベルトとあいかわらず駄目すぎるハゾスとの、そしてグインとパリスの牢でのやりとりは読みごた…

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サイロンの光と影 グイン・サーガ121 栗本薫 ハヤカワ文庫JA

記憶の不備を抱えたままパロを立ち帰国の途につくグインとその一行、しかしてグインを迎えたのは歓喜だけではなかった――― というわけで今思えばそれなりに面白かった「旅立つマリニア」より2ヶ月おいて発売された今巻は久々にこれは酷いというお話が展開、読んでいて実にうんざりしたことであるよ。 というか2章までは普通につまらないだけなんだけど、3章以降、特に4章は不愉快さも加わって読み心地は…

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2008年4月に読んだ本

悪人 吉田修一 朝日新聞社 2008年版『このミステリーがすごい!」17位。 吉田修一の新境地というべき傑作。 こういう救いがない話をドキュメンタリータッチで描く(宮部みゆきとか桐野夏生とか)というお話は好みではないんだけど、そこはさすが吉田修一というべき筆力で圧倒的に読ませます。 首無の如き祟るもの 三津田信三 早川書房 2008年版…

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神託の夢 ドラル国戦史3 デイヴィッド&リー・エディングス ハヤカワ文庫FT

〈ベルガリアード/マロリオン物語〉〈エレニア/タムール記〉などの傑作で知られるエディングス待望の新シリーズ第3作。 妹神ゼラーナの領土の侵略に失敗した悪しき存在〈ヴラーなるもの〉の矛先は弟神ヴェルタンの領土へと……。 全8巻完結予定(隔月発売、4巻は5月予定)ということでお話的にはまだまだ中盤とはいえ、さすがに上記の2作を超えるモノにはなれなそうな。 エディングスと言えば魅力的なキャラ…

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いのちのパレード 恩田陸 実業之日本社

「奇想短編シリーズ」と銘打って「Jノベル」という雑誌に三年半にわたって連載された短編+書き下ろしの「夜想曲」と全部で15編を収録。 ジャック・フィニイ、ジョン・コリアなど早川書房の異色作家短編集へのオマージュと言うべき幻想と怪奇に満ちた短編集。 正直、ピンと来ない作品もあったりしたけど、蟲師っぽい雰囲気の「蝶使いと春、そして夏」、幻想的なイメージが鮮烈な「かたつむり注意報」、ブラック…

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2008年3月に読んだ本

武士道シックスティーン 誉田哲也 文藝春秋 今月の傑作その1 武蔵マニアで剣道一筋、勝つことこそがすべての磯山香織と、日舞出身でちょいと天然風味勝つことにあまり拘りがない西荻早苗。 正反対な性格な二人が剣道を通じて絆を深めていくという青春(ちょっと熱血)ストーリー。 いやもうこれが面白いのなんの、読み出したら止まらない面白さとはまさにこのことかみたいな。 …

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マジカル・ドロップス 風野潮 光文社

若くして亡くなった親友がタイムカプセルに遺した思い出のドロップには2時間17分限定の魔法が備わっていた……講談社児童文学賞、野間児童文芸新人賞、椋鳩十児童文学賞を受賞した著者が描く奇跡を手にした42才の主婦・菜穂子の青春回帰ストーリー。 メルモちゃんの赤いキャンディーみたいなドロップをかじれば15才の自分に戻れるという設定自体はかなり魅力的。 文法が児童小説に則ってるだけあって、…

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僕僕先生 仁木英之 新潮社

第18回ファンタジーノベル大賞を受賞した中国版ニートの成長小説でもあり恋愛小説でもある中華ファンタジー。 いい意味での軽さを感じさせる文体などいろいろツッコミ受けそうな作風だけどこの伸びやかさは文句なく買い。 きっちりと中国物の基本は抑えつつ、見事なまでのハッピーエンドが実に気持ちいい。 個人的にツボにはまったのはヒロインの美少女仙人僕僕先生と主人公王弁との軽妙な掛け合い。 特に…

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ランドックの刻印 グイン・サーガ 119 栗本薫 ハヤカワ文庫JA

本を読み終わってここまで呆然としたのは久しぶりというかこのわき上がる感情をどう表現すればいいかわからないというか。 だってさ ノスフェラスで目覚めたのも、イシュトヴァーンと戦ったのも、スカール、フロリー、スーティー、アストリアス、リギア、ブランと出会ったのも、コングラスに寄ったのもマリウス一座で大受け取ったのも、そしてあれだけ引っ張りに引っ張ったタイスでのこともすべて(タイス伯爵にな…

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クリスタルの再会 グイン・サーガ118 栗本薫 ハヤカワ文庫JA

10月から3ヶ月続いた月刊グイン・サーガもとうとうラスト。 ようやくの、グインとリンダの再会がなったわけだけど、とにもかくにも長かった。 グインが一端記憶を無くしてから巻数にして23巻、時間にして3年半。 まあ、3年半で23冊を出すのは凄いっちゃ凄いんだけどさ。 ちなみに内容としては、マリウスが、ヴァレリウスが、ブランが、リンダが、ついでにグインまでとにかくしゃべってしゃべっ…

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きつねのはなし 森見登美彦 新潮社

京の骨董屋を舞台に緩やかにつながりあう四つの物語を収めた完成度の高い連作ホラーファンタジー。 前作『四畳半神話大系』、デビュー作『太陽の塔』とは雰囲気をがらりと変えた異色作ということもあり最初は面食らったものの、その端正な語り口、古都の裏側に潜む闇をかいま見せる手つきの巧みさなど、あらためて作者のポテンシャルの高さを感じさせる傑作に仕上がっています。 実際、『夜は短し歩けよ乙…

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マリア様がみてる フレーム オブ マインド 今野緒雪 コバルト文庫

「バラエティギフト」、「イン ライブラリー」に続く番外編パート3は写真にまつわる姉妹たちのエピソードを描いた短編集。 決着までまだ引っ張るんかいと思いつつ読んでたんだけど、いやこれはなかなか。 なかでも、すれ違う気持ちをどうしようもないほどの痛々しさで描き出した「不器用姫」が素晴らしい。 後、少し不思議で素敵なストーリー「四月のデジャブ」も良いやね。 ちなみに『マリア…

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水神の祭り グイン・サーガ115 栗本薫 早川書房JA

まだまだ続くタイス編。 展開的にはあいかわらずのペースなんだけど、脱出方法がやっと見えてきたあたりに一縷の希望が。 実際、フロリーが伯爵に捕まったということを逆手に取った計画はなかなか。 ひたすら鬱陶しかったタリクやアン・シア・リンの出番が無かったという一点でも前回よりかはマシかと。 ただ、この展開だとどうやらガンダル戦はなさそうなんだけど、さて。 後は、なんだかんだ言いつ…

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太陽の塔 森見登美彦 新潮文庫

第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した森見登美彦のデビュー作。 諧謔溢れる文章が愉快な妄想恋愛小説。 まあ、ストーリー的にはどこがファンタジーやねんと思っていたのだけど、終盤の四条河原町ええじゃないか騒動、そしてやけに感傷的で優しいラストは実にファンタジックで印象的。 学生時代は京都で過ごしたというのもあって、京都を舞台にした青春小説という点でも個人的にはポイントが高…

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紅鶴城の幽霊 グイン・サーガ114 栗本薫 ハヤカワ文庫JA

今回はクムの大公タリクに勝手に惚れられたフロリーが、タイ・ソン伯爵とその娘アン・シア・リン(口絵は素晴らしい)の逆恨みを買ってさあ大変というお話。 終わる気配を見せないタイス編に少なくない読者がいい加減うんざりとしているこのタイミングでまるまる一話使ってフロリーの話をやるあたりがさすが栗本薫だなと思いました、以上(笑)。 いや、これ以上書こうとすると愚痴になるので今回はこのへんで…

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4月に読んだ本

あいかわらず感想が書けないので、とりあえず読んだ本とごくごく簡単な感想だけを記録してみる。 涼宮ハルヒの分裂 谷川流 角川スニーカー文庫 ここで続くはないよなあ。出来れば上下で一気に読みたかった。 後、ついでに『学校を出よう!』の続編も。 涼宮ハルヒの分裂posted with amazlet on 07.05.03谷川 流 いとう のいぢ 角川書店 (2007/03/3…

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もう一つの王国 グイン・サーガ113 栗本薫 ハヤカワ文庫JA

とうとう相対することになったグインとガンダルを描く序盤、中盤の幽霊公子との邂逅、タイスからの脱出を図るべく地下水路に単騎侵入したグインの冒険行を描く後半と今回もそれなりに読ませます。 特に、窮地に陥ったグインの前に意外な人物が現れる(まあ、ぶっちゃけ白のマーロールなんだけど)というラストの展開はなかなか意外性があって面白かった。 ただ、さすがにこのところのスローペースぶりにはかなりう…

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闘王 グイン・サーガ112 栗本薫 ハヤカワ文庫JA

最近復調気味のグイン・サーガということもあって、白のマーロール戦の決着、脱出計画の一貫としての青のドーカスとの遺恨試合まではまずまず面白かったです。 ただ、その後がなあ(このへんから微妙にネタバレ)。 脱走計画がスイランが正体を現したせいで失敗すること自体は別に良いんだよ。さすがにここまで来てガンダル出さないわけにも行かないだろうし白のマーロールとの遺恨もある。 何が良くな…

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バレエダンサー ルーマ・ゴッデン 偕成社

親兄妹の誰にも期待されず、常にみそかっす扱いの少年デューン。 しかし、彼は誰よりも強い翼を持っていた。 イギリスを舞台に、様々な困難にぶつかりながらもバレエダンサーとして成長していく様を描いた少年小説の傑作。 バレエに魅せられ、才能を開花させていくデューンの描写が素晴らしい。 デューンの才能は周りを巻き込み、少年が居るべき場所へと導いていく。 いやあ、ほんとに面白かった…

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ゼロの使い魔10 イーヴァルディの勇者 ヤマグチノボル MF文庫J

才人と仲間たちがタバサを救いに行くお話。 ガリアに辿り着くまでいろいろあったわけだけど、コルベールとアニエスに決着が付いたのは良かった。 迷い無くタバサの救出に手を貸すところも含めてほんとコルベール先生は格好いいよ。キュルケは男を見る目があるなー。 本格的にエルフが物語に登場。 ジョゼフが歪んだ理由も明らかになったけど、実に手前勝手な理由でまったく同情は出来ません。 っ…

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アルスラーン戦記12 暗黒神殿 田中芳樹 カッパ・ノベルス

まさか、アルスラーン戦記が1年後に読めるとは。 今年一番のサプライズ!なんてことはないんだけど、嬉しい驚きであることは間違いない。 さて本編だけど、てっきりペシャワール攻城戦がメインになるかと思ってたけど、ヒルメスの国盗りなど物語は大きく動き出します。 多彩なキャラクターを操る田中芳樹の筆の冴えが素晴らしい。 今回はヒルメスの簒奪劇、ケスラーとマリーカを思わせるイスファーンと…

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タイスの魔剣士 グイン・サーガ 111 栗本薫 ハヤカワ文庫JA

いやあ、今回は面白かった。 グインの戦士としての圧倒的な戦闘力を披露しつつ、戦いを通じてグインの記憶が整理されてくるという展開。 タイスの四剣士の一人、タリアのドーカス・ドルエンこと青のドーカスとの試合は燃えるものがあったし、夢枕獏の『キマイラ吼』を思わせるような白のマーロールとのケレン味のある戦闘シーンがまた素晴らしい。 しかも、戦いが佳境を迎えるなかで次巻に続くという殺生な…

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ソフィアの正餐会 クラッシュ・ブレイズ 茅田砂胡 中央公論新社C★NOVELS

クラッシュ・ブレイズシリーズ第6弾。 今回は全寮制のお嬢様学校「聖ソフィア学園」にルウとシェラとリィ(リィは近くの男子校だけど)が潜入、襲われた少女の謎を探る学園ミステリ。 かと思いきや、きっちり前作の続編になっているところがミソ。 ミステリ的には島田荘司『占星術殺人事件』とか栗本薫『天狼星』をちょっとだけ思い出したかな。 基本的にいつものノリなんであんまりそういう感じはないんだ…

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狼と香辛料 3 支倉凍砂 電撃文庫

シリーズ三作目。 今回は、失ったものを取り返そうとあがくロレンスの心情が痛いほど伝わってきてとにかく読みすすめるのが辛くて。 人は愚かだから、失って初めてそれがどれほど大切だったかということに気付く。 いや、失わないと気付けないのが人の業なんだろう。 ロレンスのように失ったものを取り返すチャンスを得、そして首尾良く取り戻すことが出来るのはごくごく一部であろうことを考えると、相…

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狼と香辛料 2 支倉凍砂 電撃文庫

第12回電撃小説大賞〈銀賞〉受賞作の続編。 期待通り、いや期待以上に面白かった。 一作目はそれほどでもなかったプロットだけど、今回は緊迫感のある展開で読ませます。「信用買い」恐るべし。 今作品で重要な役割となる羊飼いの少女ノーラなど、キャラクター描写も魅力的。 とはいえ、この小説の魅力はやはりホロのかわいさに尽きるよなあ。 ラブコメ度アップのホロとロレンスとの掛け合いは絶妙…

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