ノノノノ 13巻 岡本倫 集英社ヤングジャンプコミックス

突然の打ち切りという暴挙によって儚くもこれが最終巻となってしまった『ノノノノ』13巻がついに発売。 それはちょっとないだろうな最終回が完全版となってどう変わるか、それが一番の注目どころだったわけだけど、うーむ…。 雑誌版最終回でいきなり出てきた悠太は出てこず、おっぱいポヨンなオチは夢オチに、そして最後は伏線ぶっちぎっての金メダルゲットという超ハッピーエンドなこの最終回をどう受け止めれ…

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キケン 有川浩 新潮社

ごく一般的な工科大学の数ある部活の一つである「機械制御研究部」、通称【機研(キケン)】。 これはその【機研】黄金期、今となってはレジェンドとなった時代を過ごした若者たちの物語である。 有川浩ならではの抜群のリーダビリティをもって超ゴキゲンに疾走する青春グラフティの快作。 個人的には回想形式があんま好きじゃないってのもあって?と思っていた構成だけど、いやあラストの見開きで大なっとく。…

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ノノノノ 4巻 岡本倫 集英社ヤングジャンプコミックス

冬季オリンピックジャンプ団体で最後の最後に転倒、金メダルを逃し帰国後地獄の日々を送ることになった父と家族。 その名誉挽回のため男装して金メダルを目指す少女ノノの愛と冒険のストーリー第4弾がノノの表紙をめくるとアナルショップ先輩の扉絵が迎えてくれる素敵使用(帯も良い感じだ)でついに発売。 今回はサマージャンプ大会編決着&夏休み編を収録。 すべてをノノと天津に託した皇帝の思いに…

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3月のライオン 2巻 羽海野チカ  白泉社

羽海野チカが描く川の流れのようにゆっくり進む青春ストーリーの2巻が9ヶ月ぶりに発売。 今巻も読ませどころたっぷりだけど、一番好きなのはこのシーン。 「「潔い」のと「投げやり」なのは似ているけど違うんだ!!」 「もっと自分の将棋を――自分を大切にしてくれっっ桐山っっ」 MHK杯で疑問手を打った零に対し、思わず我を忘れて叫ぶ二海堂。 零を目標として、そして終生のライバルと…

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PSYREN-サイレン- 1巻 岩代俊明 集英社ジャンプコミックス

『みえるひと』が終わって一年超、週刊少年ジャンプ2008年1号から連載開始の『PSYREN-サイレン-』1巻がついにコミック化。 取り巻く世界に失望し、当てもなくただ今を生きていただけの主人公夜科アゲハ。 謎の怪人により渡されしカード、そして突如消えたかっての幼なじみ雨宮桜子が主人公を謎と危険に満ちた世界“PSYREN-サイレン-”へとアゲハを誘う。 設定的にはそれほどオリ…

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神託の夢 ドラル国戦史3 デイヴィッド&リー・エディングス ハヤカワ文庫FT

〈ベルガリアード/マロリオン物語〉〈エレニア/タムール記〉などの傑作で知られるエディングス待望の新シリーズ第3作。 妹神ゼラーナの領土の侵略に失敗した悪しき存在〈ヴラーなるもの〉の矛先は弟神ヴェルタンの領土へと……。 全8巻完結予定(隔月発売、4巻は5月予定)ということでお話的にはまだまだ中盤とはいえ、さすがに上記の2作を超えるモノにはなれなそうな。 エディングスと言えば魅力的なキャラ…

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密室殺人ゲーム王手飛車取り 歌野晶午 講談社ノベルス

〈aXe〉〈ザンギャ君〉〈伴道全教授〉〈044APD〉〈頭狂人〉。 奇妙なハンドルネームを持つ常軌を逸したミステリマニアがネット上で交わった時、驚異の殺人ゲームが始まる……。 謎造りのために自ら殺人事件を起こしそれを謎として披露するという前代未聞の設定はさすが歌野晶午というべきか。 著者によるともともとこのアイデア自体は前からあったそうだけど、あまりにリアリティが亡くボツにして…

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いのちのパレード 恩田陸 実業之日本社

「奇想短編シリーズ」と銘打って「Jノベル」という雑誌に三年半にわたって連載された短編+書き下ろしの「夜想曲」と全部で15編を収録。 ジャック・フィニイ、ジョン・コリアなど早川書房の異色作家短編集へのオマージュと言うべき幻想と怪奇に満ちた短編集。 正直、ピンと来ない作品もあったりしたけど、蟲師っぽい雰囲気の「蝶使いと春、そして夏」、幻想的なイメージが鮮烈な「かたつむり注意報」、ブラック…

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聖の青春 大崎善生 講談社文庫

村山聖、A級8段。享年29。 これは名人への夢をいつまでも、そう死の寸前までも追い求めた一人の将棋馬鹿の一生を、村山とも、村山の師匠の森信雄6段とも親しかった「将棋世界」編集長(当時)大崎善生がその軌跡をありのままに描いた魂の記録である。 ―もう二度と帰らない二人の遠い日々。師匠として、親として、兄弟として、友達としてすごしてきたいくつもの季節― 家族との絆、若手棋士達との…

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朝日のようにさわやかに 恩田陸 新潮社

短編集としては『図書館の海』以来五年ぶりとなる短編集。 ミステリー、SF、ファンタジー、ホラー、童話などなどバラエティに富んではいるものの、どれを読んでも恩田陸らしさに溢れていて読みごたえあり。  いやまあ表題作はそんなでもなかったんだけど、『「ABC」殺人事件』というアンソロジー企画のために書き下ろした会話だけのミステリ「あなたと夜と音楽と」、いかにも恩田陸らしい雰囲気の「赤い…

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ARIA 11巻 天野こずえ BLADE COMICS

TVアニメの第三期「ARIA The ORIGINATION」も始まったということで、今さらながらの『ARIA』11巻の感想です。 この巻の最終話にあたるNavigation55「黄昏時」の展開には素直に驚いたけど、個人的には持たざる物の苦悩と師弟の絆を感動的に描いたNavigation51「クローバー」が一番ツボにはまったというか。 「大丈夫、ないものは付け足せばいいんだよ」 …

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もやしもん 5巻 石川雅之 講談社

菌が見える男、沢木惣右衛門直保とその仲間、そして菌達がおりなすミニマムな団体劇ももはや五巻。 まさかのTVアニメ化(しかもノイタミナ)には驚いたけど、今回もまたいつもながらのもやしもんワールドが展開。 酒屋の本質に関する蘊蓄もなかなか興味深い内容ではあるんだが、やはりメインは農大ならではの収穫祭イベント。 バニーな及川さん、ゴスロリ蛍、ネズミーランドのアレに似ている武藤さん、そ…

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配達あかずきん 成風堂書店事件メモ 大崎梢 東京創元社

元書店員が描く書店を舞台にした連作短編ミステリー。 「本の雑誌」2006年上半期エンターテインメント・ベスト10で2位を獲得するなど、わりと評判の良い本作だけど正直ちょい微妙。 文章自体は達者だし、元書店員書店ならではの書店の裏側を描いたエピソードはなかなか興味深い、ミステリ的に弱いのももともと期待してなかったんでそんなに気にならなかった。 ただ、どうもお話的に引っ掛かると…

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鋼の錬金術師 16巻 荒川弘 ガンガンコミックス

今回は第62話「夢の先」から第65話「鉄の掟」まで収録。 あいかわらずメリハリの利いたストーリーテリングで読ませます。キャラクターの使い方がほんと上手い。 普通、これだけ長い連載だとテンションが続かないところなんだけど、毎回それなりにきっちり面白いところが素晴らしい。 ただ、さすがに今回の内容だけだとここまで伏線張りまくってほんとにすべて回収できるんだろうかという不安を抱く人(例え…

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クジラの彼 有川浩 角川書店

有川浩が描く最強の自衛隊恋愛小説集。 作者があとがきで「いい年した大人が活字でベタ甘ラブロマ好きで何が悪い」と開き直ってるだけあって、活字ならではの胸キュンを堪能できるスペシャルスイートな作品集に仕上がってます。 一番楽しめたのは、有川浩作品でも一番好きなカップルのその後の話が描かれた「ファイターパイロットの君」 『空の中』のラブコメっぷりが最高だっただけに感無量というか。 …

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木曜組曲 恩田陸 徳間文庫

謎の自殺を遂げた孤高の天才作家重松時子の身内であり、物書きでもある5人の女たちが亡くなった作家を偲んで集まるようになって4年目。 しかし、今年は謎の人物から届けられたカサブランカの花をきっかけに、次々と告発と告白が……果たして時子の死の真相はとは? ほとんど食堂(料理の描写がが実に美味しそう)だけで進行する密室劇。スポットライトが当たるように、新たな事実が浮かび上がり、ディスカッショ…

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麦の海に沈む果実 恩田陸 講談社文庫

なぜか新学期が三月に始まるという世間から隔絶された学園に、理瀬は二月にやってきた。 転入生の理瀬に向けられる好奇のまなざし。そして理瀬は知る、もしここに三月以外に入ってくる者が、この学校を破滅に導くだろうという伝説を。 閉鎖された奇形の学園、生徒たちの謎の失踪、そして明かされる真実。 終盤、少年と少女がワルツを踊るシーンはとても切なく、だからこそ美しい。 ビジュアルイメー…

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図書館内乱 有川浩 メディアワークス

図書館戦争、待望の続編。 一作目より素直に面白いです。このへんは設定、キャラクターが既に固まっているというシリーズ物の強みというか。 今回はちょっと連作短編風の趣向。 ストーリー的にはタイトル通り図書館内部の確執がメインなんだけど、郁の父親のエピソード「両親攪乱作戦」がちゃんと伏線になってるあたりの巧さや柴咲など脇役の描写が丁寧できっちり読ませます。 ラスト、微妙に手塚と柴咲のフ…

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鋼の錬金術師 15巻 荒川弘 ガンガンコミックス

月刊少年ガンガンに連載された58~61話を収録。 単行本まるまる一冊を使ってイシュヴァール殲滅戦が語られます。 雑誌で読んだときもかなりしんどかったけど、一気に読むとほんときついなあ。 情けのはいる隙間がない凄惨な現実、踏みにじる者と踏みにじられる者、戦場の中ではささやかな救いでさえもありふれた悲劇へと変わっていく。 とはいえ、どのような状況においても一筋の希望は残る……そういう…

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図書館戦争 有川浩 メディアワークス

本の雑誌上半期ベスト1にもなった有川浩の新シリーズ。 作者曰く、月9の連ドラを目指したってことらしいけど、たしかにこれまでで一番読みやすいです。 もちろん図書館が武装して本を不当に狩る「メディア良化委員会」と戦うという設定も秀逸、シリーズ化も当然だろうね。 とかいいつつ、正直なところラスト近くまではいまいち物足りないなあと思ってたんだけど、そうかそう来るかのラストでかなり納得。…

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砂漠 伊坂幸太郎 実業之日本社

伊坂幸太郎が送る愛と感動と涙の一代青春巨編! なんてことは、まるでない。 ないのだけど、たしかにこれは評判になるだけのことはある。 再読すると、実に丁寧に伏線が張ってあることに気付く。あいかわらず上手いよなあ。 麻雀、ボーリング、気の置けない友人たちとの日々。 かって過ごした学生生活(もちろん自分が大学生だった時はこれほど波瀾万丈ではなかったけれど)を懐かしく思い出させる素…

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世界は悪魔で満ちている?  相原あきら 電撃文庫

谷川流と田中哲弥と佐藤ケイとヤマグチノボルを足して四で割ったようなドタバタラブコメディみたいな。 こういう風に書くと面白そうなんだが、内容的には微妙だったりする。 少なからず読者を選ぶ小説というか。 設定やキャラクターはわりと面白いと思うんだよね、評価が分かれるのは独特の語り口というか文体かな。 個人的には田中哲弥を彷彿とさせて嫌いじゃないのだけれど。 でまあやっぱ問題…

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チョコレートコスモス 恩田陸 毎日新聞社

面白い、この小説は最高に面白い。 基本的に『ガラスの仮面』へのオマージュとなってるので、恩田陸ならではの醍醐味はそれほどでもないんだけど、それを補ってあまりあるほどの魅力がこの小説にはある。 特に、演劇シーンを描写する筆力の冴えは素晴らしいというしか。 特に後半のオーディションのシーンは圧巻。 もちろん、『ガラスの仮面』を読んでなくても充分に面白い。 でも、読んでると通常の…

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重力ピエロ 伊坂幸太郎 新潮社

ふと思い立って三年ぶりぐらいに再読。 巧いなあ、ほんとに巧い。特に語り口の巧さたるや呆れるほど。印象的な冒頭から一気に読ませます。 二度目にかかわらず実に面白かった。いや、二度目だからこそより楽しめたのかもしれない。 ミステリ的なプロットを用いてはいるものの、やはり主題は兄弟の物語であり、家族の物語である。このへんは舞城王太郎を思い出したり。 ラストは意見が分かれるところだろ…

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ハチミツとクローバー 10巻 羽海野チカ 集英社

6年にわたった連載もついにとうとう完結することに。 6年と言っても読み始めたのは集英社でコミックスが出た2002年の8月、それからヤング・ユーを読みつつ、コミックスを買って……それでももう4年になるのか。 すべてのキャラクターの決着はついてないかもしれない。 でも、竹本、森田、真山、あゆ、はぐ、そして修司。六人で過ごした愛しく切ない季節はもう二度と還らない、彼らの物語は一つのピ…

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ネバーランド 恩田陸 集英社文庫

男子寮の冬休み、四人だけで過ごす七日間を描いた青春小説の佳作。 帯(ハードカバーの時)には「青春ミステリの金字塔」とあるのだけど、ミステリ成分はかなり薄め、というかストーリーの味付け程度なのであんまり期待しない方がいいかも とはいえ繊細な文章と、イメージを喚起させる描写力は素晴らしいというしか。 プロット的には、まあ、一種のトラウマ物の系列にも入るので、またかよと思うところもあ…

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ネクロポリス 恩田陸 朝日新聞社

何だろうこの物足りなさは。 設定はユニーク(アナザー・ヒルという舞台が実に魅力的)だし、雰囲気も出てるんだけど、長編の割にキャラクターの影が薄い。まあ、そういうタイプの小説では無いと言えばそれまでなんだが。 たぶん、恩田陸を読む快感というのに乏しいのが不満なんだと思う。 基本的にこの小説は設定の割にはホラーじゃないし、ミステリでもない。どちらかというとファンタジーというか奇妙な…

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お留守バンシー 小河正岳 電撃文庫

第12回電撃小説大賞受賞作。 大賞受賞作だけあって、完成度は高い。きれい好きでかわいいバンシー(女精)、貞淑なサキュバス、マヌケなデュラハン(首なし騎士)、ペンギンそっくりなガーゴイルなどなどキャラクターはなかなか個性的。文章も悪くない。 ただ、面白かったかと言われると微妙というしか。 文章が読みやすいからサクサク読めるんだけど、ストーリーに起伏がなさ過ぎる。 まあ、…

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樹上のゆりかご 荻原規子 中央公論新社

高校生活とそれを彩るイベント(合唱祭、生徒会活動、そして文化祭の芝居!)、そして事件を通じて、ヒロイン上田ひろみが成長していく様を描いた青春小説の傑作。 正直、それほど過大な期待はしてなかったんだけど、いやあ大満足。 登場するキャラクターはとても現代の高校生とは思えないのだけど、でもだからこそ共感出来るわけで。 彼女の語り口は、思わず郷愁という名の感情を呼びさます。 あー、こ…

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鋼の錬金術師 14巻 荒川弘 ガンガンコミックス

どんどんシリアスになっていく展開の中でも、ギャグをきっちり入れてくるところが良い。 シリアスとコメディのさじ加減が絶妙というか。 発動しない錬金術と発動する錬金術、グリードを受け入れたリン、手足を縛られても野望を諦めないロイ・マスタング。閉じこめられていたマルコーと遭遇するスカー。そしてウィンリィを盾に取られ身動きが出来ないエドはホークアイ中尉を訪ねる。 一番の謎は、ホーエンハ…

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